2011年01月17日
苛立ちのような感情は
この春からパート先をIT関連会社にした。
フルタイム勤務することは夫の理解を得られなかったのだ。
以前の勤め先は薬品の卸会社で、帰宅が不規則になったことで、夫から半日のパート先を見つけろと言われたのだった。
・・・・・・夫と中学生の子供が2人の4人暮らし。
夫は自営の建設業で45歳、大手の下請けをやっていた。
不景気で業績は芳しくなかったが、生真面目に仕事をしていた。
恵子は39歳、40歳という不惑の年齢を前にに焦りを感じていた。
オンナとしての「秋」を感じないではいられない日々を送っていた。
薬品の卸会社を辞めてから1ヶ月余り・・・
(午後から家に居るから、それだけで安心してるわ!帰りが遅いときはうるさく言っていたけど・・・毎日家に居たって・・・)
お昼にパートから帰って夫の昼の食事の支度をし、その後は、主婦としての家事をこなす毎日に、恵子は倦怠感と言葉では表現できない焦燥感に包まれていた。
(家に縛られた奴隷でもなければ、便利なお手伝いさんでも無いわ!夜の夫婦生活だって無いし、わたしって一体何?)
恵子は薬品会社に居た日を思い出さずにはいられなかった。
今の恵子の苛立ちのような感情は、薬品会社に居た日に起因していたのだった。
「栗本さん、今日、残業をお願いできますか?」
総務課長の岡田が恵子に問いかけた。
「はい。そんなに遅くならなければ・・・」
「大丈夫!栗本さんなら早く片付けられますよ」
定時に帰れる日が少なくなっていた。
(また亭主に文句言われそうだわ・・・)
まもなく定時が過ぎ、岡田から資料作成の指示がきた。
「ここのところ皆に無理を言ってて・・・悪いですねぇ~今日は栗本さんだけ残業になってしまい、申し訳ない」
「仕方ないですよ、課長。仕事ですから」
「今日は社内に2人だけになってしまうので、外部から不審な人間が入ってこないよう戸締りを確認してきます。栗本さんは安心して仕事をしていてください」
そう言うと、岡田は総務室から出て行った。
(えっ!そうすると・・・課長と2人きりってこと?)
恵子は少し緊張感のようなものを感じたが、気にしないで仕事を始めた。
資料作成が大方出来上がってきた時、岡田が恵子の傍に来た。
「どうですか?」
「えぇ、ほとんど・・・」
「そうですか、それは良かった。それにしても、栗本さんの肌はキレイですね。傍で見ると、顔も美人だけど、それ以上に肌がキレイだ」
「えぇ~っ!課長、冗談がキツイですよ~もう40歳が目の前のオバサンに、何を言ってるんですか?」
「いや、冗談じゃなく本当ですよ!スラリとしてスタイルもいいし、旦那さんが羨ましいなぁ~」
「とんでもない!うちの亭主に言わせれば、『もっと肉を付けてくれないかな~抱く気も起こらないよ!』いつもそんな風に言われてるんですよ。やっぱり男の人は皆、グラマーなオンナの人が好きなんですね」
夫からいつもそう言われていた恵子は、スタイルには全く自信が無かった。
自然と夫婦関係も無くなり、恵子は性欲を失っていた。
(仕方が無いわ・・・昔から細いし・・・セックスなんてつまらないわ)
「そうかなぁ?僕は細身の女性の方が好きだけどなぁ~あまり大きな胸なんか、好きじゃないから・・・」
「そうなんですか?珍しいですね~」
「栗本さんは肌もキレイだし、最高だと思うけど・・・ご主人さん、どうして・・・?勿体ないな~」
「課長のお宅はどうなんですか?」
「うちのは、子供を産んでからブクブク太っちゃって・・・もう何年も夫婦関係なんてありませんよ」
「そうなんですか~うまくいかないものですね?」
「まったく・・・」
「あれ?何の話をしてるのかしら?」
「あぁ、そうですね・・・変な話しですね!ハハハハ~」
ふたりは顔を見合わせて笑った。
(課長は確か・・・42歳だったかな?うちの亭主とあまり変わらないのに・・・若々しいわ~仕事は出来るし、エネルギッシュだし・・・)
恵子が溜息混じりに目の前のCRTに神経を集中していると、岡田は恵子の肢体を舐めるように視線を這わせていた。
「課長、大体終わりましたが・・・ぁっ!」
恵子は傍に居た岡田の視線が自分に注がれていることに気づき、思わず小さな声を上げた。
「あっ!ゴメン!つい見とれちゃって」
「・・・・・・・・・」
「誤解しないで・・・セクハラだなんて言わないで欲しい。傍で見ているうちに、そのキレイな肌に触れたくなって・・・」
「えっ!・・・困ります・・・」
「栗本さんが魅力的だから・・・」
「そんなこと・・・わたしなんか暗いし・・・課長のほうこそ素敵ですよ」
「もっと自信を持って!笑顔の時の栗本さんは、本当に美人ですよ」
夫から魅力が無いと言われていた恵子は、いつの間にか暗い感じになっていた。
(こんな風に言われたの初めてだわ・・・課長・・・)
日頃から好感を抱いていた課長からの言葉に、恵子は内心では嬉しかったが、素直に出せる性格では無かった。
「僕ら2人って相性が良いように感じるのは、僕だけかな?」
「・・・・・・・・・」
夫しかオトコを知らない恵子にとって、岡田の言葉は充分に恵子の胸をドキドキさせていた。
「三體牛鞭 ゴメン、ゴメン。遅くなるから、早く片付けてください」
「メールで作成資料を送ります・・・」
ぎこちない会話と雰囲気を残したまま、帰宅の途に着いた。
フルタイム勤務することは夫の理解を得られなかったのだ。
以前の勤め先は薬品の卸会社で、帰宅が不規則になったことで、夫から半日のパート先を見つけろと言われたのだった。
・・・・・・夫と中学生の子供が2人の4人暮らし。
夫は自営の建設業で45歳、大手の下請けをやっていた。
不景気で業績は芳しくなかったが、生真面目に仕事をしていた。
恵子は39歳、40歳という不惑の年齢を前にに焦りを感じていた。
オンナとしての「秋」を感じないではいられない日々を送っていた。
薬品の卸会社を辞めてから1ヶ月余り・・・
(午後から家に居るから、それだけで安心してるわ!帰りが遅いときはうるさく言っていたけど・・・毎日家に居たって・・・)
お昼にパートから帰って夫の昼の食事の支度をし、その後は、主婦としての家事をこなす毎日に、恵子は倦怠感と言葉では表現できない焦燥感に包まれていた。
(家に縛られた奴隷でもなければ、便利なお手伝いさんでも無いわ!夜の夫婦生活だって無いし、わたしって一体何?)
恵子は薬品会社に居た日を思い出さずにはいられなかった。
今の恵子の苛立ちのような感情は、薬品会社に居た日に起因していたのだった。
「栗本さん、今日、残業をお願いできますか?」
総務課長の岡田が恵子に問いかけた。
「はい。そんなに遅くならなければ・・・」
「大丈夫!栗本さんなら早く片付けられますよ」
定時に帰れる日が少なくなっていた。
(また亭主に文句言われそうだわ・・・)
まもなく定時が過ぎ、岡田から資料作成の指示がきた。
「ここのところ皆に無理を言ってて・・・悪いですねぇ~今日は栗本さんだけ残業になってしまい、申し訳ない」
「仕方ないですよ、課長。仕事ですから」
「今日は社内に2人だけになってしまうので、外部から不審な人間が入ってこないよう戸締りを確認してきます。栗本さんは安心して仕事をしていてください」
そう言うと、岡田は総務室から出て行った。
(えっ!そうすると・・・課長と2人きりってこと?)
恵子は少し緊張感のようなものを感じたが、気にしないで仕事を始めた。
資料作成が大方出来上がってきた時、岡田が恵子の傍に来た。
「どうですか?」
「えぇ、ほとんど・・・」
「そうですか、それは良かった。それにしても、栗本さんの肌はキレイですね。傍で見ると、顔も美人だけど、それ以上に肌がキレイだ」
「えぇ~っ!課長、冗談がキツイですよ~もう40歳が目の前のオバサンに、何を言ってるんですか?」
「いや、冗談じゃなく本当ですよ!スラリとしてスタイルもいいし、旦那さんが羨ましいなぁ~」
「とんでもない!うちの亭主に言わせれば、『もっと肉を付けてくれないかな~抱く気も起こらないよ!』いつもそんな風に言われてるんですよ。やっぱり男の人は皆、グラマーなオンナの人が好きなんですね」
夫からいつもそう言われていた恵子は、スタイルには全く自信が無かった。
自然と夫婦関係も無くなり、恵子は性欲を失っていた。
(仕方が無いわ・・・昔から細いし・・・セックスなんてつまらないわ)
「そうかなぁ?僕は細身の女性の方が好きだけどなぁ~あまり大きな胸なんか、好きじゃないから・・・」
「そうなんですか?珍しいですね~」
「栗本さんは肌もキレイだし、最高だと思うけど・・・ご主人さん、どうして・・・?勿体ないな~」
「課長のお宅はどうなんですか?」
「うちのは、子供を産んでからブクブク太っちゃって・・・もう何年も夫婦関係なんてありませんよ」
「そうなんですか~うまくいかないものですね?」
「まったく・・・」
「あれ?何の話をしてるのかしら?」
「あぁ、そうですね・・・変な話しですね!ハハハハ~」
ふたりは顔を見合わせて笑った。
(課長は確か・・・42歳だったかな?うちの亭主とあまり変わらないのに・・・若々しいわ~仕事は出来るし、エネルギッシュだし・・・)
恵子が溜息混じりに目の前のCRTに神経を集中していると、岡田は恵子の肢体を舐めるように視線を這わせていた。
「課長、大体終わりましたが・・・ぁっ!」
恵子は傍に居た岡田の視線が自分に注がれていることに気づき、思わず小さな声を上げた。
「あっ!ゴメン!つい見とれちゃって」
「・・・・・・・・・」
「誤解しないで・・・セクハラだなんて言わないで欲しい。傍で見ているうちに、そのキレイな肌に触れたくなって・・・」
「えっ!・・・困ります・・・」
「栗本さんが魅力的だから・・・」
「そんなこと・・・わたしなんか暗いし・・・課長のほうこそ素敵ですよ」
「もっと自信を持って!笑顔の時の栗本さんは、本当に美人ですよ」
夫から魅力が無いと言われていた恵子は、いつの間にか暗い感じになっていた。
(こんな風に言われたの初めてだわ・・・課長・・・)
日頃から好感を抱いていた課長からの言葉に、恵子は内心では嬉しかったが、素直に出せる性格では無かった。
「僕ら2人って相性が良いように感じるのは、僕だけかな?」
「・・・・・・・・・」
夫しかオトコを知らない恵子にとって、岡田の言葉は充分に恵子の胸をドキドキさせていた。
「三體牛鞭 ゴメン、ゴメン。遅くなるから、早く片付けてください」
「メールで作成資料を送ります・・・」
ぎこちない会話と雰囲気を残したまま、帰宅の途に着いた。
Posted by zhoufangfang at 09:34
│経典小説