2010年08月11日

曖昧な空から雨が降ってきた

ぬるい風に吹かれた
髪の毛が一本
頬の上で迷っていた

急にぴたりと張り付いて
先端でくすぐるから
思わず払いのける

何をしなくても
このホームに居るだけで
私の首筋をなぜる雫は
とうに越えた不快指数への抵抗だ

執拗につきまとう
この苛立ちを強いられてから
もう何年経っただろう

あの乾いた夏を捨て
涼やかな風鈴を割り
縁側の笑い声を消してから

都会に憧れた私は
紅蜘蛛の糸に似た空気に憑かれて
毎日出口のない迷路に立っていた

完璧な家を造ることを夢見て
いつしか足を捕われた
小さな蜘蛛になってしまったみたいに

曖昧な空から雨が降ってきたが
傘はない
電車は来ない
会社には間に合わない

湿った街になぶられて
ようやく気づく
ずっとくたびれていたんだ
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Posted by zhoufangfang at 18:11│Comments(0)詩歌
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